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2014年5月 6日 (火)

小さな花束

004

まだ、アリエールクールが営業しているころのこと。

友人からお花の注文を受け、春の花をかごいっぱいに活けて、

配達に出た。

しかし配達先のお宅が分からず、思わぬ時間がかかってしまった。

その配達先は著名なハーブの先生、緊張気味に訪問を告げた。

どうやら、友人から連絡があったらしく、お花の到着を楽しみに、

待っておられたごようす。まずは一安心。

時間がおありならお庭にどうぞと誘われ、

思わぬ役得に、感謝。

大雪のあとのせいで、庭の空気はひんやりして、

日が暮れたあとのその庭は早春とは思えぬほど、肌寒い。

でも目を凝らすと、冷えた土の上、たくさんの小さな花が咲き始めていた。

至る所に、愛らしいスミレと忘れな草が早くも顔をのぞかせていた。

先生はこの小さな花を摘みながら庭の説明をして下さった後、

私に花束に組んでとおしゃって、かわいい麻のひもを選んでくれた。

小さな花束ができると、

それを手にとり、花束の写真を、いとおしむように何枚も撮られた。

著名な先生というのは、スタイルだけという方も多い中、

お花を愛し、身近に暮らし、心から楽しんでいるのが伝わって、

その夜は私まで、気持ちが温かく包まれた。

そしてまた、花に携わる人間のお手本を示されたようで、

仕事のターニングポイントを迎えた私にとって、

かけがえのない夜になった。

先生はその小さな花束を私におみやげにくださった。

自宅でグラスにいけたとき、

この花たちが冷たい土から花を咲かせていた姿を思い出した。

わけもなく、がんばろうと思った。

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